一騎討ちは菅首相に軍配があがった。
私は悩みに悩んだ末、菅首相に投票した。「政治とカネ」とか、「首相をコロコロ変えるのは良くない」とか、そんな理由ではない。菅直人と小沢一郎。ふたりは、今の日本に絶対必要な政治家だ。そして、どちらも一国のリーダーにふさわしい。だから、悩んだ。
決め手になったのは、地域主権に対する考え方。菅首相の、自治体を行政の基本とする法案をつくるという主張に共鳴した。
今回はやれ分裂含みだの、感情が先走った選挙だの、政策そっちのけの権力闘争だのといわれた。しかし、冷静にみていた方はおわかりになると思うが、両者が堂々と政策をぶつけあった素晴らしい選挙だった。そして、政策論争を深めようと、桜井充参議院議員が中心となって議員主催の公開討論会も行った。民主党ならではの出来事だったと思う。
ふたりの根っこは同じだ。「政治主導」。だから、菅首相も小沢前幹事長も民主党なのだ。当日の演説でふたりは、原点を見つめ、夢を語り、命を賭ける覚悟を示した。そして、政権交代をみることなく、この世を去った同志に思いを馳せた。民主党は菅首相の「世の中の不条理に立ち向かう」、小沢前幹事長の「個人が自ら意見をもち、外国にも堂々と渡り合える自立した国をつくる」という言葉をかみしめ、国民のための政治を行わなければならない。
政権交代して、まだ1年。いや、もう1年。民主党、ここからが正念場だ。