10年が経ちました。午後2時46分、分科会審査を中断し、黙祷を捧げました。
被災者が“10年前の自分”にあてた31通の手紙を収めた本を読みました。
祈り続けた10年。怒りや悲しみ、後悔が消えなかった10年。感謝の気持ちが生まれた10年。そのことが、よく伝わってくる手紙でした。
このプロジェクトの代表である学生は、まえがきでこう綴っています。
<10年前に思い描いた10年後と比べてみたとき、様々な面での「復興」は進んだのだろうか。変化していく社会に、止まらず進む時間の中で生きる私たちは、この10年目というターニングポイントでいま一度これまでを見つめ直す時にいるのかもしれない>
10年という時の流れは、改めてあの日に思いを寄せる区切りではあります。しかし、終わったわけではありません。あの日に「総括」はありません。これからも、続いてきます。向き合うこと、寄り添っていくこと、そして、決して忘れないこと。