昨日、総務文教常任委員会・分科会の審査が終わりました。3日間むったりと議論し、仕切り役の私は疲労困憊・・・おかげさまで、昨夜はいつも以上に熟睡できました。
初日の午前は所管事務調査。来年度当初予算に改修費が計上された施設を視察しました。
十文字西地区館。公民館や多目的ホール、健康の駅といった機能が入っていますが、外壁の剥離、空調の能力低下、至る所で雨漏りと「よく、ここまで我慢したものだ」というのが率直な感想です。
しかし!このような施設は市内にまだまだ数多くあるわけで、市民に最も身近な公共施設の不具合解消は予算をかける優先順位として高くなければというのが議会の共通した意見です。市当局は重く受け止めていただきたいと思います。
午後から審査開始。昨日の夕方までのロングランでした。
審査のメインはやはり来年度当初予算。その中でも総務費と教育費に大半の時間を費やしました。
調査費が計上された「大型公共施設整備事業」、いわゆる横手体育館と市民会館の建て替えですが、この事業については集中審査を行いました。論点は4つ。「スケジュール」、「財政」、「建設場所」、「建て方」です。
スケジュールとしては、策定委員会を設置し、来年1月までに調査を終え基本計画をまとめ、再来年度は基本設計へということでしたが、委員からは「拙速」、「合併特例債ありきのスケジュール」、「十分な協議時間をとれるのか?」といった疑問が相次ぎました。
財政については、厳しくなるような規模の整備は考えていないという答弁がありました。委員からは「合併特例債残高の範囲を超えるのでは?」、「建設費が膨らむ可能性大」といった心配の声が上がり、「撤退ラインを決めるべき」との意見も出されました。
建設場所は現時点で横手体育館は総合公園のある赤坂、市民会館は都市機能誘導区域である条里を想定しています。以前から議会として、特に消防本部がありながら交通渋滞が発生する時間の多い条里について危機管理上、問題があるのでは?といった指摘が出されており、今回の審査でもそういった質疑がありました。
それに対する答弁は「市が決めた都市機能誘導区域に建設しないと自己矛盾に陥る」ものの、「決定したわけではない」と含みを持たせたものでした。また、条里が都市機能誘導区域というのならば、築年数が経過しているが使用し続ける予定の本庁舎や老朽化している水道庁舎の整備も併せて考え方の中に入れるべきだといった意見もありました。
建て方については、建設場所ともリンクする論点です。議会は4年前に「公共施設の在り方に関する調査特別委員会」が今後の整備については「複合化」という考え方で進めるべきという提言を出しています。それを踏まえて、「合築」という視点での質疑がありました。市当局からは「複合化も想定できる形で内容は詰めてみたい」という答弁があり、分散しての建設は決定ではないという意向が示されました。
まとめると、市当局としては「スケジュールはタイトだが、なんとか市民や議会とも協議を重ねていきたい。財政が危険ラインにならないような施設をつくる。建設場所等は決定したわけではないのでご理解を」ということでした。
この集中審査を含む総務費の審査は丸一日近くかかり、教育費等は翌日に持ち越し。その教育費も各委員から多岐にわたって活発な質問があり、これもお昼休憩等をはさんで5時間ほどの議論となりました。
質疑を全て終了した後、別室で議員間討議を行いました。以下、集中審査した大型公共施設整備事業についての意見です。
「納得できるような力強い説明がもう一押しほしい」、「調査費の予算をつけたからといって、すべて賛成しますというスタンスではいけない」、「2つ一緒に建てると想定の予算内でできるのか疑問。頭が混乱している」、「調査費はあくまで調査費。それを削って検討もできないというのはおかしい」、「アリーナ構想では市民の思いが反映されなかったが、今回は市民検討委員会を立ち上げた。説明に納得はしていないが、議会の思いが反映できるような進め方を強く求めたい」、「そもそも、東口再開発と体育館と市民会館を同時にやるのは論外。場所は決定ではないと言いながら、予算は赤坂と条里を調査するという内容だ。それでいいのか悪いのかといった基準で判断したい」
その他、全体として特に数字を求める質問に対して市当局が答弁できず審査がストップする場面が度々ありました。「予算」の審査ですから、細かい数字もすぐ答えられるような準備をしていただきたいです。
一方で、私たちも基本的な数字は事前に担当部署にヒアリングするなり把握した上で、審査に臨むべきだという思いも強く持ちました。双方、努力しなければなりません。
来年度当初予算案は反対・賛成それぞれの討論を経て、賛成多数で「可決すべきもの」としました。定例会前の論点整理から集中審査を含む慎重な議論、採決前の議員間討議→異なる立場からの討論・・・とまさにフルスペックでの委員会・分科会審査でした。
大変お疲れ様でした。