新聞や雑誌、冊子そして単行本やネットの記事に至るまで「見出し」というのは大事である。いつだったか、某企業の社長とお話しする機会があった時、彼は「私も忙しいが、新聞は必ず読む。コツは見出しをさっと見てそれで内容を把握していく」という事を言われていた。その言葉を聞いてから、アンドナウの現場時代はとりわけ見出しには気を遣ってきたし、議会だよりをつくっている今もそれは変わらない。
先日発生した横手で合宿中の日体大野球部員の食中毒症状。某全国紙の秋田版の見出しは「合宿中の大学生 8人食中毒症状」。その横に若干小さくながら宿泊施設の名前を載せていた。記事中では「食中毒とは断定していない」とは書いていたがこの見出しを読んだ方は誰もがこの宿泊施設が原因だと思ったはずである。
昨日、帰宅したら市から「保健所より、今回の事案は食中毒並びに感染症とは断定できない」とのファックスが届いていた。この件で宿泊施設が負ったダメージがいかほどかはわからないが、大学のスポーツ合宿は横手市がいま熱心に力を注いでいる事業のひとつである。
調査中だったにも関わらず、原因が宿泊施設にあるかのような見出しをつけたことはマスコミとして勇み足だったといっても過言ではない。今朝のその全国紙は「原因特定できず」という見出しの記事を載せていたが、それだけじゃ済まないでしょ!