1ヶ月ぶりのオガール。紫波町役場はオガールの敷地内にある。紫波はオガールだけでなく、議会もすごかった。
今回の視察の調査事項は反問権、自由討議、議会モニター、通年議会、そして一般会計当初予算の審査方法についてであった。紫波町議会では武田平八議長自ら歓迎挨拶だけでなく、ずっと同席して話をしてくれた。これだけでトップが先頭に立って議会改革を進めているのがよくわかる。
紫波町議会は横手よりも一歩も二歩も早い時期に、しかも着々と改革を断行していた。反問権の付与と自由討議の導入は10年前の平成20年。通年議会の導入は平成23年。議会基本条例の制定は平成26年だが、それよりも前にいろんなことをしていて基本条例が改革の“きっかけ”ではなく、“ダメ押し”的な位置づけだというところがすごい。その前後にも政策形成サイクル導入や議会モニターの設置、そして事業評価の試行実施などその貪欲な姿勢には圧倒させられた。
紫波町議会で特にタメになったのが通年議会と自由討議である。
まず、通年議会。この検討には「定数や報酬とセットで議論を」という意見も横手市議会であるのだが、紫波町議会は別で議論しているという。とにかく町民ために「動ける議会」、そして町民に対して「正々堂々とできる議会」の実現がこの考え方の根底にある。通年議会を導入することによって、行政との(いい意味での)緊張関係が生まれたし、災害時に迅速に対応できるようになったという。やって後悔はない、と武田議長。
議員間討議は主に一般会計当初予算の審査で大いに活用されていた。各常任委員会の論点整理、当局からの内容説明を経た上での再整理と全員協議会での課題の共有化など予算審査のありとあらゆる場面で自由討議を行い、有意義な議論となるよう努めている。非常に参考になる事例であった。
以前、横手市議会に対して提出された請願書に「行政と議会は車の両輪」という一文があった。2月に広聴分科会で可児市議会を訪問したときに「行政と議会は車の両輪ではない。車に例えるならば、議会は行政のアクセルとブレーキでなければならない」という話を聴き、感銘を受けた。
今回、武田議長からも同じような重い言葉を頂戴した。「車の両輪なんてあり得ない」。評価される議会にはこの思想がある。いつまでたっても古い考えから脱却できない議会は時代に置いていかれるばかりで、それは住民のためにもならないのである。