NHKの朝ドラ「あまちゃん」のロケ地である久慈市は日本最大の琥珀産出地。勉さん(←塩田勉議員ではない)が琥珀の掘削職人でしたね。
私にとっては仙台の広告代理店時代に久慈琥珀博物館に営業訪問して以来の久慈。日本列島を襲っていた猛暑とはまるで別世界の気温で、夜なんかは半袖では少し寒いくらいでした。
久慈市議会の行政視察には中平浩志議長以下、議会運営委員長、広報広聴会議座長にも同席いただいた。説明は議会事務局職員で、その方が早大マニフェスト研究所の招聘研究員をされていて説明が秀逸だった。
久慈市議会の議会改革は「話し合い」に重点を置いている。
①議会と住民の話し合い(意見交換会、請願者意見陳述)
②議会と首長との話し合い(反問権)
③議員と議員の話し合い(議員間討議)
④議会と議会事務局の話し合い(政策機能強化)
議員はしゃべりたがる人たちの集まりなので議会では言いっぱなし、質問しっぱなしで終わってしまい、言葉のキャッチボールが難しい。だからこそ、あらゆる場面で「話し合い」を意識しているという。
特筆すべきなのは住民との話し合いで、意見交換会である「かだって会議」ではワールドカフェ形式を採用し、ファシリテートしながらみんなが前向きで楽しい話ができるような環境をつくっている。そして、そこから政策形成につなげる動きをしているのである。
反問権と議員間討議は正直進んでいないとも明かしてくれたが、説明を聴くと議員間討議は議会事務局が入れてくれた情報をもとに論点整理をし、ホワイトボードで“見える化”をし、チームとして当局にぶつかっていくなど、横手市議会のはるか先を行っているのは間違いなかった。意見交換会にしても、議員間討議にしても議員個々のファシリテーション力が必要であり、そのための研修を行う必要性も強く感じた。
通年議会は議会改革の検討初期段階からの案件だったそうで、通年議会は「住民にとってメリットかどうか?」の議論が肝だったそうだ。当局にとっては議会拘束が増えるという懸念があったのも事実で、それは指定専決処分や説明委員の出席緩和といった負担軽減策を示して一年かけて交渉した末の通年議会採用だったという。
最後に中平議長がいろいろと議会改革に対する姿勢についてお話された。曰く、「今やらないと時代に取り残される」、「社会が変わっているのに議会が変わらないのはおかしい」、「やれることからやってみよう。ダメだったらやめましょう」、「2、3歩進んで半歩下がる」、「強引に進めない」。
まさに議会改革に真摯に取り組まれてきたからこその数々の言葉。そして、極めつけは私たちが思わず唸った「●●はもうやめた方がいい」の一言。じぇじぇじぇ!突き詰めればこのような結論になるのか!
今回、紫波町議会と久慈市議会を訪問して改めて感じたのは、やはり議会改革はトップが覚悟を決めてリーダーシップを発揮してやらなければならないということ。だから、議会改革推進会議のメンバー構成の考え方を来秋の折り返しを機に見直さなければならないと思う。一番は議長、副議長、議会運営委員長、各常任委員長、広報広聴委員長という構成。ここに各副委員長も加わってもいいし、別の考えでいけば「みんなでやる!」という意味でもう議員全員が所属してもいいかもしれない。
大事なのは「議会改革なんてオレ知らない」という議員をなくすためにどうすべきか?だと思う。