横手版事業仕分け

 議会準備をしていたら、先日の事業仕分けについて大体まとまってきたので述べてみたい。

 まず、概要はこう。対象事業は市が3つの基準で選定した30事業。仕分け人は公募等で選ばれた30人。1事業60分で判定。評価区分は1、不要 2、必要(民間実施) 3、必要(国・県実施) 4、必要(市実施だが要改善) 5、必要(市実施で現行どおり、または拡大) 1グループ6人の5グループ体制。1グループあたり6事業を仕分け。

 そして、この事業仕分けを実施する目的なのだが、市によると、「評価の結果を基に、事務事業の必要性と効果、及び執行体制、効果的な手法を再検討し、今後の事務事業に反映させる」こと。要は来年度以降の施策に反映させる。そこが昨年度までとは違う。だから、地元マスコミも注目した。

 さて、今回の仕分けを本来の定義とされている3つの点からみてみる。

1、外部の目で行う→“民間人”ということからすると、“外部”かもしれないが、コーディネーターを務めた他自治体職員を除いては“市民”が仕分けした。そういう点では少し内向きだったのではなないだろうか。仕分けには「客観的な判断」が求められる。そのためには、市民と外部の割合が50:50がベター。

2、公開で行う→意気込みは満点。しかし、マイクなしだったので非常に聴きづらかった。これでは“公開”の意味がない。お金をかけてでも傍聴しやすい工夫をすべき。

3、「そもそも」から始める→「そもそも、この事業は必要なのかどうか」から議論を始めなければならない。目的にも「事務事業の必要性を再検討」とあるのだから。ここは仕分け人に温度差があったように思う。それを理解している仕分け人と、あくまで“事業は必要”という前提で臨んでいる仕分け人とがいた。

その他に気付いた点がある。

1、仕分け人の姿勢→30人の内訳は公募が10であとは市が依頼した有識者とコーディネーターを務めた他自治体職員。はっきりいって、活発なグループとそうでないグループに分かれた。もう少し言わせていただくと、やる気のない仕分け人もいた。各グループ最低1事業の仕分けを傍聴したが、(その時だけだったかもしれないが)一切発言しない仕分け人がいた。今回の仕分けが少なからず、施策に反映される可能性があるのだ。市民を代表して仕分けをしているのだ。自覚をもってほしい。

2、市担当者の姿勢→差があった。事業の必要性を訴える職員、仕分け人と一緒に議論していこうという職員。一方で、事業内容の説明に終始する職員、防戦一方の職員(←ちょっと可哀想だった)。何だかんだいって実際、執行している事業なのだから、意見を拝聴しつつも、その必要性について納得のいく話をしなければ。

3、実施方法について→行政刷新会議が行った事業仕分けは本番前に膨大な時間をかけて、資料収集やヒヤリング、現地調査を行い、そのうえで評価を下した。要するに本番前にすでにその事業の内容を完璧に把握していたわけだ。だから60分で仕分けできた。それに対し、今回の流れをみると(事前に説明会を行ったというが)冒頭の事業説明とその後の質疑応答があって、やっと事業の内容が理解できたという仕分け人が多かったと思う。あとは目の前の資料と自らの経験や知識に基づく考えに従って評価するしかない。とすればこの60分という時間は短すぎる。仕分け人には負担だと思うが、今後は市ではなく、仕分けチームが事業を選定し、綿密な準備を重ねて、本番に臨むという方法が良いのではないか。

 と、かなり厳しいことを述べてきたが、率直な思いなので仕方ない。ただ、評価すべきなのは「やった」という事実。他自治体がやらない中で、パフォーマンスといわれようと公開で実施し、施策へ反映させようという姿勢は市の行政経営改革への本気度を表している。

 この事業仕分け。いろんな改善を図りながら、今後も定期的に続けてほしいと思う。

 忙しい中、(本気で取り組んだ)仕分け人の皆さんに敬意を表したい。

 

 

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