野球留学

 高校野球における問題の是非。その2は「野球留学」についてである。ちょうど1年前のブログで私は掛布雅之氏の「甲子園の秋田代表はほぼ100%地元出身。それが高校野球の原点なのだから堂々と負けて帰ってくればいい」というコメントを紹介した。昨夏の能代商にみられるように地元で固めたチームが甲子園で2勝するのをみると最高にうれしいし、やはりそれが理想である。

 野球留学問題は以前から指摘されていることで、最近では昨夏と今春の甲子園で2季連続準優勝した光星学院が「大阪第二代表」などと揶揄された。私は野球留学は否定しない。それはある本で野球留学ばかりに焦点があたる光星学院の真実を知ったからだ。

 確かにレギュラー及びベンチ入りメンバーのほとんどを県外出身者が占めている。しかし、これはチーム内の激しい競争に勝ち抜いたのが県外組だということで、実際地元の八戸市をはじめとした青森県出身の部員も多い。センバツでエースナンバーをつけた金沢投手は八戸市の出身だ。そして、最終的には県外組も地元組も個々人がレベルアップした“野球人”となり、大学・社会人に進む。

 面白いのがその先。進学先には野球名門校にはあまり見られない国公立大学が入っている。特に岩手大学。ここは北東北大学野球リーグの1部に所属していて野球と勉強を両立させ、将来は指導者になるのだという。実際、私も議員になる前に何度か北東北リーグを観戦したことがあるが、確かに岩大の部員名簿には何人かの光星OBがいた。

 これは光星の金沢成奉総監督の「青森に帰ってきて指導者となり、光星を倒せ!」という教えである。要は自チームだけでなく、青森県全体のレベルを上げようというわけだ。

 それでも、野球留学には批判がつきまとう。釈然としない気持ちはわかる。しかし、15歳の少年がたった独りで親元を離れ、「甲子園」という夢にむかってひたむきに努力し、流す汗に嘘はない、そう思う。

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