昨日の地元紙一面に、今年の春闘に関して連合秋田がまとめた中間集計の記事が載っていました。中小労組の賃上げが1万2123円と全国平均を上回る数字となっているということです。
最近の物価高を反映して全体的に「賃上げ」ムードですが、各組合の粘り強い交渉が結果に表れたのだと思います。その頑張りは労働組合を持たない企業の賃金にも少なからず影響を与えます。そこに社会の中での労働組合の存在意義を見い出せます。
今、セゾングループを構築した堤清二氏の評伝を読んでいます。文庫化にあたって追加された章では、昨年のそごう・西武売却に際して労働組合が起こしたストにも触れています。
従業員の雇用を守るために本気度を示すこと、そして会社全体の危機と捉え親会社のセブン&アイと対峙する覚悟を決めた行動に対して、世論の反応は意外と言っては失礼ですが好意的でした。
少なくとも、連合に加盟する労働組合は「労」だけの都合を主張するのではなく、「使」の現状も理解したうえで様々な交渉事を行います。
今回のストも、売却によって西武百貨店池袋本店の売り場面積が削減されると秋田のような地方店の取引先ブランドとの関係にも影響が出るという、まさに「使」側の視点にも立った上での苦渋の決断でした。ストが旧セゾングループや同業他社などの労組の支援を受け、そして世論にも支持された理由はこんなところにあるのかもしれません。