西宮市は高校野球の“聖地“&阪神タイガースの本拠地である甲子園や関西学院大、神戸女学院大、武庫川女子大などの大学が多く立地している人口47万人の都市である。
さて、この西宮市では「第三セクター等への関与に関する条例」について学んだ。これは平成23年12月定例会で議員提案によって可決された条例である。この日はその中心人物であった田中正剛議員(若手)出席のもと、背景や経緯、効果について説明を受けた。
条例制定の発端は西宮駅前再開発によって建てられた複合施設(ビル)を運営していた第三セクターに対し市が運営支援のためにお金を貸付けるという事案を何と専決処分したことによる。三セクの中には運営や健全性が不透明なところもあるという問題意識は日本全国の議会共通の認識であり、それをよりによって専決処分したというのは結構強引である。そこで西宮議会の中に「手をつけなければならない」という動きが出てきたという。
条例は市が三セク等(出資比率が50%以上または25%以上で筆頭株主になっている法人・会社、土地開発公社)に対して年度別の事業計画、決算報告、四半期ごとの経営情報の資料を求め、健全性や事業達成度、支援の妥当性を評価することが定めらている、また、資本金の出資、資金貸付、補助金交付を行う時は議会の議決を経なければならず、それ以外の支援も議会に報告しなければならない。
実はこの条例は一度、議会で継続審議になっており、その時の条例案はもっと踏み込んだ内容であった。市当局との擦り合わせや議会内の調整を経てこのような条文に修正し可決されている。スポーツ立市条例策定の際にも感じたことだが、市当局や議会内での調整が欠かせない。今後増えてくるだろう議会提案の政策条例をスムーズに運ぶためにも市当局との取り決め事項を定めることが必要かもしれない(言いなりにはなるということではない)。
P.S.西宮市内のホテルがとれなかったので宿泊は神戸。部屋からみた神戸の街並み