地方創生

 増田寛也氏が座長をつとめる日本創生会議が、東京圏の高齢者を受け入れる医療・介護機能が整っている全国41地域の候補地を発表した。増田氏がまとめた「地方消滅」(中公新書)が提言した“地方の中核市に人を集めよう”という構想のとおり、これには秋田市は入っているが、横手市は入っていない。

 今朝の地元紙社会面によると、「歓迎」の一方で戸惑いを隠せない県内関係者もいるとの事で、相変わらず地方とのすり合わせを全く行っていない“上から目線”の提言であることがわかる。

 この際はっきりしておくが、私はいま盛んにいわれている「地方創生」は、今までの歴代政権が行ってきた、人気取りを目的とした付け焼刃のバラマキ地方政策の看板を単に掛け替えただけだと思っている。そんなチマチマやるんだったら、早く「ヒト・モノ・カネ」を地方に移譲して、地方主権を断行した方がよいと思うのだが・・・ま、中央官僚が全力で抵抗しているんでしょうね。

 もちろん、増田構想に反対する勢力もあり、どれどれと「地方消滅の罠」(山下祐介著・ちくま新書)を読んでみたが、うーん、途中で感情的な文言が幾度も出てきて、建設的な反論ではなかったな。

 自民党系の若手議員といろいろ話をしていると、今回の地方創生にはだいぶ期待していることがうかがえる。しかしながら同時に彼らは「ラストチャンス」とも言っている。時間的なことなのか、それとも自民党を知っているがゆえにその政策上の限界点を悟っているのか・・・

 安倍政権による地方創生は今後も続いていく。中央集権という制度の中で、何だかんだいっても国の思惑に則って、地方自治体もジレンマを抱えながら政策をすすめていかなければならないのはご承知のとおり。さっさと「地方版戦略」を完成させた京丹後市や会津若松市など先見の明があった自治体を横手も見習っていかなければならないだろう。「その先」を見据えた大胆な政策。それが大切だ。

カテゴリー: 未分類   パーマリンク

コメントは受け付けていません。