今日は佐藤議長の代理で「秋田さきがけ県南政経懇話会」5月例会に出席した。日本や世界の最新情勢、変化の方向を見据え、対応する上で役立つ情報の提供を目的とし、地元新聞社が主催し、各界の第一線で活躍している方をお招きして解説をいただくという会である。
今日の講師はメディアにも多く出演している首都大学東京の木村草太教授で演題は「日本国憲法の三つの顔〜国内法典、外交宣言、物語〜」。
講演は立憲主義からみる憲法の特徴と、昨年、大混乱の中で制定された安保法制についての大きく2つのテーマでお話しされた。
憲法については
●①立憲主義にもとづく標準的な憲法(法技術的な文書)②諸外国にどういう国であるかを示す(外交宣言)③改憲派と護憲派の議論につながる(神話と歴史
物語)の3つの顔がある。
●前近代的国家秩序→近代的国家秩序=主権国家の成立にみる立憲主義の成立
●英米仏独という立憲主義の先輩諸国の憲法概観
安保法制については、そもそも11本あった法案を2つに抱き合わせて提出した
ことが議論をわかりにくくしたという前提と従前と制定後の比較を示された上で
●そもそも論として、イラク戦争の反省(武力行使と一体となったおそれ、大量破壊兵器が確認されなかった)は十分か?
●法的課題、特に活動監視と事後的検証の仕組みは十分か?
●存立危機事態とは何を意味するのか?(個別的自衛権との違い)
について問題提起された。
そして、結論として安保法制は様々な形で修正すべき点がある。しかしながら、11本もの法案それぞれに特性があり、野党もポイントを絞った議論をすることが有益だと主張された。
ジョークもエピソードもなく、淡々と話されていた木村氏だが非常にわかりやすい、そして面白い講演だった。