広聴分科会行政視察その③~まとめ~

 広聴分科会が訪問した岩倉市議会と可児市議会の取り組みにはいくつかの共通点がある。それこそが議会改革を進めるうえでのポイントだと思うので列挙してみる。

 ●地域の各団体との連携
 岩倉市議会は「せいじ~る」という若手主体の市民団体と共催の形でふれあいトークを行っており、可児市議会に至っては高校生との地域課題懇談会に医師会や商工会議所、金融協会、NPO等をからめている。NPOは議会報告会においても重要な役割を果たしている。両方とも議会が独りよがりにならないように、うまく地域の各団体と連携している。それはつまり、地域も議会に対して関心や理解のあることの裏返しであり、「民力」が高いといえるし、そうなるように議会も努力していかなければならない。

 ●当局に対する提言力
 広聴部門での各種取り組みのゴールとして、住民の意見を反映した形での当局に対する提言を行っている。特に可児市議会はそれが仕組み(サイクル)に入っており、まさに「チェックと提言」という議会の機能をフルに行使している。

 ●住民との距離感
 議会報告会等では会場を対面方式ではなく、グループトークができるレイアウトに設定している。これによって、満遍なく意見や要望を聞くことができ、参加者が気軽にモノを言える工夫がなされている。これは横手市議会でもすぐにできることである。

 ●高校生とのからみ
 地域の将来を背負って立つ高校生との積極的な交流はこの行政視察の中でも特筆すべきことである。広聴分科会としては「Y8サミット創快横手市議会」をきっかけに中学生との交流を模索しているが、可児市議会での視察で「中学生段階から議会に対する理解を深めておくことが大事」とも言われたので、私たちの方向性は間違っていないと思う。

 ●議会一体となった姿勢
 両議会を訪問してたまげたのは議会全体で物事を成し遂げていく!という姿勢である。視察受け入れに関しても岩倉市議会は原則、全員が出席。可児市議会では週ごとに議員がローテーションを組んで対応している。

 横手市議会も議会関係の視察受け入れにおいては、そのテーマにからんでいる(いた)議員が出席するようにしているが、両議会に比べればまだまだ足りないのかもしれない。
 また、“議会一体”の姿勢は当局に対しても発揮されていて、岩倉市議会では全会一致での請願・陳情の趣旨または一部採択で強いメッセージを出し、可児市議会では委員全員の同意を条件に常任委員会での代表質問を行っている。

 実は岩倉市議会も可児市議会も通年議会制をとっていない。通年議会を否定しているのではなく、もはや制度として取り入れなくとも、実質的に通年議会と化しているのである。それだけ議員はバラツキなく平均して議会活動を行っているし、住民にもそれが浸透しているのだろう。これから通年議会の議論をしていく過程において、「制度化して意識を高めていくのか」、「意識を高めることを先にして事実上の通年議会とするのか」という論点も重要になってくると思う。

 いずれにしろ、議会改革は議員の意識改革なくしてはあり得ない。そこをどうやって醸成していくのかが問われている。まずは・・・こんなことを書くのは恥ずかしい限りだが「不明確な理由、または理由なき遅刻・欠席」を容認しているという世間では考えられない変な慣習をなくすことからですかね・・・
 

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