思い出ベンチ

 先月末に行ってきた特別研修の報告です。

 「思い出ベンチ」のことを知ったのは、NHK「ニュースウオッチ9」でこの事業を紹介していたのがきっかけだった。私なりにその概要を調べ、ぜひ特別研修制度を利用して勉強に行きたい!と思っていた。

 ただ、訪問先が東京都庁という巨大組織であるがゆえに、どうやってアポをとったものか、知り合いもいないし・・・と逡巡していたところに助け舟が!4月に隣接町内会の総会にお招きいただいたときにある方にこの話をしたら、「友達に都議がいるから頼んであげる」とのこと。そんなわけで都建設局への訪問が実現した。

 「思い出ベンチ事業」は寄付者のメッセージが入った名入りベンチを設置するというもの。これは3月に東京に行った際に日比谷公園で撮ってきたベンチ。下の写真は以前もブログに載せてますね。

 事業は平成15年から始まり、その目的は都民が今以上に公園に愛着を持っていただくことと、施設の充実を図ることである。財政にゆとりがない中での財源確保策のひとつといえる。

 対象は都立公園・霊園・動物園で毎年7月~12月に募集をかける。金額的には15万円と20万円の2タイプがあり、今までで104基、1億6785万円の寄付があった。当初は募集数の100%近い寄付数があったが、最近は50%前後を推移していて、29年度は27基、465万円という結果だった。

 15万円と20万円という寄付金額はそのままベンチの設置代に充てられ、それ以外の施設維持管理費までには回らない。しかしながら、都においてはまだまだ公園に新規設置もしくは交換するベンチが必要との認識にある。都内に82ある公園の年間維持管理費92億円(←ほぼ指定管理料)、そして最近になって頻発する自然災害に対応する費用などを考えると、これだけでも寄付で賄っていることはありがたい。

 このように、厳しい財政環境の中で財源を確保する方策として民間から収入を得ることの重要性はこれからますます大きくなっていく、というか大きくなっていかざるを得ないと私は思う。最近では所沢市が下水道マンホール蓋に広告を募集するという話題もあった。

 ただ、厳しい環境にあるのは行政も民間も同じなので、そこには「協力したい!」、「メリットがある!」という理由付けを明確にしなければならないだろう。国際教養大学の「ネーミングライツ教室」などはその好例といえる。

 横手市においても市報や水道料金のお知らせの裏に広告を募集する等の工夫をしているが、もっとこの方策を重要視してアイディアを出していかなけばならない。かつ、進んでいるのかいないのか、さっぱりわからなくなってきた財産経営推進(FM)計画を住民理解のもとにしっかりと行い、維持管理費を抑えていく努力も必要だろう。

 都議会開会中にも関わらず、丁寧な対応をいただいた都建設局の方々、ありがとうございました。

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