高浜市は三州瓦の産地として有名であり、またトヨタ関連の企業が多く立地している人口約4万人の地方都市である。
ここでは「アウトソーシングの取り組み」を勉強した。高浜市は前市長時代から徹底した行政改革を断行しており、その中の象徴的なものがこのアウトソーシング。「高浜市総合サービス株式会社」を設立し、市役所の窓口や、学校の用務員、学校給食、公民館の指定管理、公共施設の管理、水道事業、各施設の清掃などなど通常の自治体であれば市で行うべき各業務をこの会社に請け負わせている。
上の写真は市役所の窓口だが、この方々は市職員ではなく、高浜市総合サービス株式会社の社員である。この政策の効果は約3億円の人件費削減や平成7年度に40.7%だった人件費の割合が平成22年度では25.8%になるなど数字に表れている。また、臨時社員が多いとはいえ、170名余りの雇用確保にも貢献している。
多くのサービスを行っている高浜市総合サービス株式会社だが、ややもすると、市内の業者とかぶってしまう仕事もあるのではないか、という懸念もある。しかし、ここでは市内に競争相手のいない仕事を選んで受注しているとの事。「(この会社に)仕事を落とせば、勤務している人の多くは市内在住。なので、高浜市にお金がまわる」とは対応してくれた市職員の弁。「持続可能な自立した地方都市を目指せ」が前市長の口癖だったという。
国会で地方主権の取り組みが進んでいるのかどうなのか、モヤモヤした状態にあるが、いずれ来るであろう地方の新時代をしっかりと見据えて取り組んでいる姿勢、大いに刺激を受けた。