三河地方の中心地・豊橋。三河港は自動車の輸出入拠点であり、とくにベンツやフォルクスワーゲンといった外車については台数や金額ともに日本一だということです。
市内は路面電車が走っていて、私たちもこれで豊橋市役所に向かいました。
視察テーマは「AIリアルタイム防災・危機管理サービスSpectee Pro(スペクティ・プロ)」と「豊橋ドローン飛行隊の活動」についてです。
スペクティ・プロは災害時にSNSに投稿された情報をもとに、市内の状況をいちはやく把握し初期対応に生かそうと導入されたシステム。フェイク情報のチェックは開発企業の専門チームが行っているそう。非常に有用なシステムだと思います。
ただ、令和2年に本格導入した後の災害時には一定の成果を挙げた一方で、取得した情報から避難所開設に結びつけられなかったという反省点も。ここはICTをどう活用すべき“人”の資質向上がポイントだと感じました。
ドローン飛行隊はあらゆる部署の市職員は隊員となって活動しています。まさに、上空からの状況確認が災害時には有効との認識から結成されたもの。平時の活用もされていて、松くい虫調査や土地区画整理の空撮も行っているとのことでした。
この地域は南海トラフ地震の被害が心配されますが、豊橋市は渥美半島の断崖絶壁によって津波は避けられるとのこと。ただ、建物被害、人的被害はかなりの数と想定しています。さらにどこでも起こり得る風水害に備えるという意味であらゆるツール(手法)を採用して防災に対する施策を講じています。最悪の状況を想定して、それに対応するという行政の基本姿勢を実践していると言えるのかもしれません。