月刊ガバナンス7月号

地方議員や地方公務員が購読している「月刊ガバナンス」。最新の7月号を読んだ。

巻頭は平成16年の中越地震の後、農山村の再生に取り組んできた(公社)中越防災安全推進機構の震災アーカイブス・メモリアルセンター長である稲垣文彦氏のインタビューである。その中から巷いわれている人口減問題について、考えさせられる言葉があったので少し長いが以下、紹介する。

旧山古志村は震災前の人口は2200人だったが、いまは約1000人。高齢化率も上がり、外からは「山古志は大変ですね」と言われるが、山古志の皆さんは、非常に元気に暮らしている。いろんな人との交流があり、その中でお米や野菜が売れている。
住民の人たちに被災から10年後に問いかけたら「この集落は復興したよ」という。「20世帯もあったのに、なぜ?」と聞くと、「昔はみんな孤独だったんだよ、だけどいまは孤独じゃない。これが復興だ」と話す。
地方創生では人口が重視されるが、それでは何人になれば幸せなのか。それよりも、いかに一人ひとりが幸せなのか、笑顔で生きているのか、あるいは死ぬ前に「ここで生まれてよかったな」と思えるかどうか。そういうことがビジョンに盛り込まれなければならないと思う。

ページを進めていくと、2月に来横され「人口ビジョンは適当につくれ」と言い放たれた東大の金井利之先生の連載「新地方自治のミ・ラ・イ」にたどり着いた。今月のお題は「一億総滑落社会と三本の失のミライ」。

無から有を生む錬金術を期待したアベノミクス第一ステージはバズーカの空砲や空ぶかしで第二ステージに移らざるを得なくなったが、それも消費増税の先送りで好循環は崩壊した。かくして「新・三本の矢」は「新・三本の失」となり、日本は一億総活躍どころか、一億総滑落社会を滑り落ちていくだろう、と断じている。相変わらず絶好調だ。

その金井先生は来週、再び来横され私たちのために講演される。楽しみである。

明日は参院選の投票日。安倍政権は外交等の面で評価すべき点もある。しかしながら、アベノミクスをはじめとする内政はズタズタである。政治には緊張感が必要だ。このまま一強政治が続いていいとは思わない。拮抗した勢力が切磋琢磨しながら国民のための政策を磨き、議論していくことが大切だ。

投票したって何も変わらないと思っていれば本当に何も変わりません。皆さんなりの判断で貴重な一票を投じて下さい。

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