合同研修会2日目の会場は国際教養大学。集合時間の30分前に着いてしまったので、職員である南中同級生・SY君を呼んでしばし談笑。今は主に学生のサポート業務をしているそうです。
研修に先立って、鈴木典比古学長がわざわざご挨拶にみえられた。
まず、キャンパス内を見学。
ネーミングライツ冠教室。自主財源確保のために企業からスポンサーを募るという大学としては画期的な手法を実現した。企業にとってもいろんな意味でメリットがあるということで現在は9つの企業がスポンサーになっている。ちなみにこの事業、県庁は反対したそうです。ふーん。
そして、図書館。テーマは「本のコロセウム」。秋田杉を全面にうちだし、伝統技術を生かした傘型屋根を採用した壮観な建物だ。
学生は24時間365日利用可能。一般も平日は午後10時、土日祝日は午後6時まで利用できる。いつでも勉強できる場を提供したい、という想いが形になった図書館である。
国際教養大学での講演テーマは「将来の日本を牽引する人財づくり」。講師はキャリア開発センター長の三栗谷俊明氏。なんと横手市出身の方である。
多岐にわたるお話をいただいたが以下、「むむむ・・・」とうなった部分を紹介する(一部、私の解釈も入ってます)。
日本は少子高齢化に歯止めがかからない。ここで出てくるのが生産人口維持のための移民政策。が、その是非を議論する以前に、日本が受け入れなければならないだろうと思われるアジア各国も実は高齢化が進んでいる。要するにアジア各国も自分たちのことで手一杯になり、日本にはやってこないと予想される。では、どうしたらいいのか?
ここで出てくるのがAIいわゆる人工知能である。自動運転、遠隔手術、植物工場とあらゆる場面で実験、運用されているAIはICT技術の究極の形といえる。このAIが減っていく人口を補う形でこれからの社会に進出してくる。この分野にどれだけの人財を投入できるかがカギとなってくる。
人財=教育である。文部科学省は教育のあり方を転換しようとしている。例えば大学受験。知識力(暗記力)から思考力(課題解決力)を重視するシステムに変えてくる。ここに秋田の中高も対応していかなければならない。キャリア教育もしかり。ITが進展すれば、例えば今年、中学校に入学した子どもたちが大学を卒業する時には今ある職業(職種)があるかどうかわからない。そこを秋田の教育者は理解しているだろうか。
大事なのは「個の確立」である。世界の中で自分の立ち位置はどこにあるのか?それを知るためにはあらゆることを学ばなければならない。リベラルアーツである。そこに日本人としての魂を込める。“和魂多才”の人財が日本の将来を牽引する。
開学以来、日本には二つとない特色あるプログラムで国内外から高い評価を受けている国際教養大学での研修はまさに「目からウロコ」の内容だった。横手市もいろいろと連携事業を行っているが、もっと踏み込んだ関係を結んで、この大学の財産を活用すべきだと改めて感じた。
2日間、ホスト役をしてくれた古仲清尚・男鹿市議には大変ご難儀をかけた。おかげさまで有意義な研修会であった。
P.S.研修後、横手に戻って横手かまくらFMに職場体験に来ていた南中生2人のインタビューを高橋聖悟議員、奥山豊和議員と受けました。繰り出されるシンプルかつ鋭い質問に答えながら、「この子たちが大人になる頃、FMってどんな形になってるだろうな」とぼんやりと思いました。