市の中央を信濃川が流れる十日町市は魚沼産コシヒカリの産地で人口は約5万5千人。隣は最近、冬になればニュースに出てくる津南町で長野県に接する日本有数の豪雪地帯。要するに横手とそっくりな街だ。
行政視察二日目は、この十日町市で雪対策を勉強。項目は「除雪基本料の前払い制度」と「冬期集落保安要員」の二つ。
まず、十日町市の除雪体制はすべて業者に委託する方法をとっている。幹線道路は市と業者の契約、そして生活道路は当該地区の集落組織と市、業者の三者で契約を交わすというスタイル。
前払い制度は、除雪を行う主である建設業者が受注する公共事業が減少し、それに伴い体力が低下し、除雪機械台数の減少・老朽化、そしてオペレーターの減少や高齢化を招いていることが除排雪体制の環境を厳しくしているとの認識に立ち、その課題を克服するために創設された。
市の平年の除雪委託料を10億円に設定し、その7割にあたる7億円を基本料金として業者にシーズン前に支払う。そして、基本料金を超過した後の委託単価は9割とするという仕組みである。これにより、市は豪雪時に予算の削減が図られるし、業者は小雪の年も心配のない除雪体制を築くことができる。導入後の業者アンケートでも約8割が評価しているという結果が出ているという。
そして、冬期集落保安要員は新潟県で行っている事業の補完的な意味合いでつくったものだそうで、集落内における高齢者世帯の除雪や見守り、公共施設などの除雪を担当する。市の非常勤職員として扱われ、報酬は月15万8千円。
なかなか興味深い制度だが、平均65歳という保安要員の皆さん、なかなか仕事がハードなようで、けれども後継者もいないし、さらには新潟県が除雪体制の充実を理由に廃止の方向で動いているということもあり、今一度、見直さなければならないという現状のようだ。
それでも、除雪業者や地域おこし協力隊と一体的な制度をつくることも視野に入れている・・・というから課題の対策はほぼできているのだろうなという印象を受けた。
三日間、各所で挨拶をしました。視察受け入れで歓迎挨拶を重ねているので、前任期での議会広報委員長時代よりはましな挨拶ができたと思っています。