「新たなまちづくり」の視点

  国からの要請で横手市のみならず全国の自治体が取り組んでいる「公共施設の適正化」。高度成長期に建設された多くの公共施設の老朽化が進行していて、その維持、補修、更新に多額の費用がかかる。今後も続くであろう人口減少時代を踏まえ、財政の面からも今の状態を保つことが困難な状況の中、将来世代に負担を残さないために公共施設の在り方を検討していく必要がある。

 市も「横手市財産経営推進計画(FM計画)」を策定し、市議会も、私も委員となっている「公共施設の在り方に関する調査特別委員会(公共施設特別委)」を設置してそれぞれ検討、議論を行っている最中だ。

 一昨日は公共施設特別委の第7回目会合とFM計画に係る勉強会があり、出席した。

 FM計画に係る勉強会は、16日に全国でも先行して取り組みを進めている西尾市から担当職員が来横され開催された研修会に出席できなかった議員のためにとの高橋聖悟・総務文教常任委員長の配慮で実現し、10名ほどの議員が出席。16日の資料をもとに横手市のFM計画の担当課職員が説明してくれた。

 この勉強会で出てきたキーワードが「新たなまちづくり」である。財政の面から考えるだけでなく、この計画を出発点に西尾市のこれからを考えていこうという未来志向の視点である。

 その視点に立って西尾市は様々な取り組みをしているのだが、その中で私が深くうなずいた場面が二つ。ひとつは「市民参画」。この計画を進めると進めるほど市民からは「あれは壊すな、ここは残せ」という声が出てくる。統合、解体すれば自分たちがこれまで提供されてきたサービスがなくなってしまう、という喪失感からくるものでそれは理解できる。

 西尾市はそうした声を受け止めつつ、しかしこの計画は市の将来にとって大変重要だという事を市民に認識してもらうため、各地区ごとに市民説明会やワークショップ、中学校の公民授業とあらゆる機会を捉えて市民参加を促した。

 もうひとつは「強力なリーダーシップ」。この計画を担当している部署を副市長直轄の組織とし、縦割りからの脱却=全庁的に取り組むという決意を示した。
 高橋市長はそういった覚悟は持っているのだろうか?べつに西尾市に倣って、担当部署を格上げしろとはいわないが、今後は是非この計画における力強いリーダーシップを期待したいものだ。

 その勉強会の前に行われた公共施設特別委は中間報告の取りまとめが議題の中心であった。16日に勉強済みの委員と、私を含め、この日の勉強会のために資料を予習してきた委員から
●国からの要請に基づいた計画だが、これは市民にとって大切なことをやっているという必要性を理解してもらう
●減らせばいい、壊せばいいといった財政面からの視点だけではなく、「どういうまちづくりを目指すのか?」という視点も大事
●市民の声をどう汲み取っていくのか、そのためにどんな仕組みが必要か考えなければならない
●合意形成の過程でワークショップを開催するなど市、議会、市民が話し合う場を持ちながら進めていかなければならない
 といった意見が出され、中間報告にはそういった方向性を持った内容も盛り込むことを確認した。

 「新たなまちづくり」。横手市が一体となってその想いを共有できるように私たちは行動していかなければならない。

 そういえば、今日はプレミアムフライデーでした。私は今日、労働組合や企業を廻りましたが、導入しているところは皆無でした。画一的な進め方をする前にそれぞれの業界や企業の事情をきちんと把握するのが先だと思うのですが・・・

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