議会改革、それは議員の意識改革~秋田県南地域市議会議員研修会~

 昨日は、横手・大仙・湯沢・仙北の市議が一堂に会して、年1回の秋田県南地域市議会議員研修会が行われた。今年の当番はウチだったので会場は自宅から徒歩2分のホテル。

 講師は三重県地方自治研究センター上席研究員の高沖秀宣氏。演題は「地方分権時代、議事機関が目覚めるとき~二元代表制における議会運営の在り方~」。結論からいって、非常に有意義な講演だった。常日頃から議会改革を念頭に活動している議員にとっては「そう、そう!」の連続であった。

 以下、高沖氏の語録を列記します。

●議会基本条例をつくってから、改革のスピードを緩めてませんか?

●改革した議会が住民から信頼されないとダメ

●議会改革とは何を改革することか?

●議事機関の役割を果たすために何をすべきか?

●「議事機関」とは「議決するだけの機関」ではなく、その前に多様な意見を持ち寄り、十分な議論をした上で、最後は最適な結論を多数決で決めること。だから通年議会が必要。

●市長提案の予算を修正する、自治体の政策の質を高めることが議会の役割。「予算を修正するのは申し訳ない」という議員がいるが、修正するのは当然のことだ。足りない点を補うのだから。

●議会基本条例に規定した条項を実践し、住民に成果を示さなければいけない。

●二元代表制をとことん追求すべし。自治体の将来、方向性を決めるのは議会だ。

●市長提案は完璧なのか?

●予算は可決したら議会の責任だ。

●住民からの意見を政策に仕上げる仕組みをつくれ。

●ボランティアで議員はできない。議員に要求されるのは専門性。

●いまの政務活動費でほんとにいいの?

●通年議会を真剣に検討すべき。

●議会事務局職員と政策議論すべし。

●議会が変われば自治体も変わる。

 議会が議会たる役割を発揮するためには通年議会の導入が必要不可欠。高沖氏はそう考えている。同感である。ぜひ、議会改革推進会議で実現のための議論を進めていければと思う。

 講演で盛り上がったのは政務活動費に言及した場面だった。湯沢市議会を例にとっての話だったが、正直、横手市議会の月額1万円(年間12万円)という数字は一所懸命に活動している議員にとっては非常に辛い。本音は上げてほしい。けれど、年間12万円という額さえ返還している議員がいるという現実を前に、まだまだ主張できる環境にはないと私は思う。とどのつまり、議会改革っていうのは議員の意識改革である。「議員は副業」と考えている方々を一掃しない限り、市民の皆さんの信頼を得ることは不可能だと思う。

 議院内閣制と二元代表制の違い、国会と地方議会の違いは市民の皆さんもまだまだ理解できていない。先日、あるお店でカツ丼を食べていたら、居合わせた方に「青山さんや、市議会ってのは文書通信費はいくらなのかね?そして領収書のいらないお金はいくらもらっているのかね?」と聞かれた。ジョークではなかったようなので、それは国会の話であって、市議会はもちろん県議会にだってそんなものはないことを説明してわかっていただいた。これが現実である。

 市民の皆さんにいろんなことを理解していただくために議会改革はある。不断の改革である。議員一人ひとりが意識を変えて、そして「チーム議会」として一丸となって進んでいく。そのために私は議会の中で嫌われてでも意見を言っていこうと思っている。

  準備にあたった議会事務局の皆さん、お疲れ様でした!

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