広聴分科会行政視察その①~岩倉市議会~

 岩倉市は名古屋市から名鉄の特急で11分という交通アクセス抜群のベッドタウンで人口は4万8千人。五条川の両岸には「日本のさくら名所100選」に選ばれた桜並木が続き、市内外から80万人が訪れるという。

 我々を迎えてくれたのは岩倉市議会の議員11名。議員数は15名ということなのだが、岩倉市議会は議会関係の視察を受け入れる際は原則、全議員が出席し、説明・質疑に応えているのだそうだ。もはや、この時点で我々「ほぉ~~~」である。

 広聴機能の充実は議会改革の一環であるので、まずは議会改革の取り組みから説明を頂いた。その中で私が視察に来る前と見方が変わったのは請願・陳情の「趣旨採択・一部採択」について。横手市議会は請願・陳情も議案であることから、結論として採択にするか不採択にするか二つに一つの判断を下すようにしている。内容の一部や趣旨についてはわかるんだけど、ここの部分がちょっと・・・という議員が多数となればそれは不採択になる。

 私もそれでいいと思っていた。なぜなら、趣旨採択や一部採択を認めてしまうと、請願・陳情の提出者(団体)が拡大解釈してしまう恐れが出るからである。しかしながら、岩倉市議会はこの請願・陳情の審査に議員間の自由討議を導入し、合意形成の努力をしたのちに全会一致を前提に趣旨採択・一部採択ができようにした。この「全会一致」というのがミソで、これにより採択の意味合いというかメッセージを強いものにすることができるのだという。

 自由討議の活かし方、そして全会一致という合意形成をした上での趣旨採択・一部採択。これはあり得るかもしれないなと思ってしまったのであった。あとは提出者に誤解のされないような結果説明をすることですかね。

 さて、本筋の広聴部門の取り組みである。岩倉市議会は「ふれあいトーク」という名称で議会報告会と意見交換会を行っている。ふれあいトークの主な対象は市民活動団体や地域(行政区)であり、会場レイアウトは対面式ではなく、グループトークができる形にし、肩肘張らずに議論ができるようなものにしている。そして、いただいた意見等を参考にして常任委員会として市に対して提言した例もいくつかあるとのこと。

 ふれあいトークの対象は広がりをみせていて、昨夏には30歳以下を対象とした「若者と岩倉市議会のおむすびトーク」を市内スーパーのフリースペースを使って開催した。グループに分かれてミニレクチャー→グループトーク→模擬議会→グループトーク→まとめと濃い内容のもので若者の政治参加を促す意味で有意義なものだったという。

 実はこれ、岩倉市議会は共催の形で参加しており、「せいじ~る」という市民団体が主催したものだった。せいじ~るは10人くらいの小規模な団体だが、年齢構成は30~40代。この「市民団体との連携」というのもミソ。せいじ~ると岩倉市議会はちょうど明日、10日には「外国人ママと市議会議員のおだんごトーク」も開催する。岩倉市はブラジル人を中心に外国人が多く居住しており、その方々の教育の悩みや困りごとを聞きましょうよ、というものらしい。

 以上、「議会改革度ランキング2016」全国26位の岩倉市議会の取り組みであった。

 

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