人口40万、まさに南国!というかんじの宮崎市。数年前までの「東国原フィーバー」の面影はまるでなかった。
ここでは、「認知症高齢者徘徊対策」を勉強。宮崎県の県庁所在地といえども、高齢化率は24%に近づいている宮崎市。それに比例して認知症の方も増え、約1万人が認知症高齢者であり、“徘徊”が問題になっている。
その対策として、「認知症サポーター養成」や「認知症高齢者徘徊模擬訓練」、「認知症高齢者位置検索サービス事業」、「SOSネットワークみやざき運営事業」といった政策を行っている。
サポーター養成は自治会や老人クラブを中心とした住民をはじめ、金融・保険・コンビニ業界、そして学生(←校長会の理解を得た)といった多方面から養成講座の受講生が集まっている。
そして、私が一番感心したのは模擬訓練の部分。平成23年度から市内の自治会の理解のもと、行っているのだが、ある自治会は「地域で見守る環境づくり」が重要という認識を持ったようで、次年度からは自主的に訓練を実施しているという。「自治会の自主性、自立度」これは素晴らしい。
さらに、模擬訓練を通じて地域ネットワーク、要するに連絡網を整備し、災害時にも使える連絡体制を整えていくことを狙っている。一石二鳥というわけだ。
地方行政の財政難の時代。地域コミュニティの最小単位である町内会・自治会の重要性はますます大きくなるが、結局のところ少子高齢化でその運営もままならない。しかし、こうした取り組みによって、何とか「地域の事は地域で解決しよう」という気概を持つ町内会・自治会が増えてくればそこに一抹の希望が見出せるのではないか。そして、それを後押しするのが行政の役割である。そんな事を改めて感じた研修であった。