大阪

 橋下徹・大阪市長が政治生命を賭けた「大阪都構想」の賛否を問う住民投票は「反対」が僅差で「賛成」を上回る結果となった。理由は諸々あるだろうが、大阪市を廃止して、特別区を設置することによるメリット、そして、それが本当に二重行政の解消につながるのか?という部分が最後まで大阪市民の胸にストンと落とすことができなかったのだろう。

 大阪維新の会が結成されて5年。決着は着いたが、今回の住民投票で大阪市民は“自分たちのまちはどうあるべきか”という根本を考えて、悩んで、そして意思を示した。そういう点では有意義だったと思うし、ちょっぴりうらやましい。大阪市は存続されるがわずか0.8ポイント差という結果を市政に携わる方々がどう受け止めるのかが重要だし、大阪市民もこれをきっかけにそれぞれの立場で市政に積極的に携わっていければいいなと思う。

 私は橋下徹氏の理念や、手法については懐疑的だ。しかし、地方自治体の制度について問題提起したこと、退路を断って自らの信念を住民投票に託したこと、そして低投票率になることが多い大都市で65%以上の数字を出した(←4月の秋田県議選より高い)、それだけ有権者の関心を集めたことには素直に「すばらしい」と思う。でも、まだ任期は12月まである。それまで精一杯、大阪市のために働いていただきたい。

 さて、橋下氏を失うことになる維新の党だが、なんと江田憲司代表も結果の責任をとって辞任する意向を示した。これには驚いた。野党再編、国政の行方。またしても不透明・・・

 

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