地方議員の厚生年金加入

 12月定例会の議会運営委員会で協議した事項の中に「地方議会議員の厚生年金加入を求める意見書」の取り扱いがあった。これは全国市議会議長会から「趣旨を理解し、加入実現に向け、12月定例会で意見書を議決し、国会などに要望してほしい」という要請が全国の地方議会にあったことに基づくもの。

 結論からいえば、横手市議会は会派で賛否が分かれたため、今回は意見書提出→議決を先送りした。新風の会は「時期尚早」という意見を議運で出した。正直言えば、私のような専業の若手議員からいえば厚生年金加入はありがたい話である。今回の趣旨も「議員のなり手不足の解消には年金制度の充実が必要」との理由が込められている。実際に議員をやっていて、その通りである。

 しかしながら、厚生年金加入という事になると、それは各自治体にも負担が生じる。その負担の財源は何かというと、もちろん市民の皆さんの税金である。その市民からみて、今の横手市議会は、市議会議員は信頼に足る組織なのか、人なのかと自問自答してみるとべつに自虐になっているわけではないが、「まだまだ足りない」と思う。そんな状況で市民の皆さんの理解は得られない、というのが新風の会としての共通認識だ。

 その背景には私たちの努力不足もさることながら、市民の中に存在する様々な「市議会議員に対する誤解」もある。私が議員になって以来、経験した市民の皆さんの「誤解」を列挙してみると

●議員年金がもらえる→〇平成23年廃止
●退職金がもらえる→〇なし ※首長はあり
●飲食代などは経費で落ちる→〇落ちない
●新幹線、飛行機はタダ→〇んなわけない
●政務活動費を月10万円以上もらっている→〇月1万円
●年収は1000万円→〇600万弱
●みんな金持ちである→〇人による

 というかんじで大体、政府・国会や東京都議会、秋田県議会、県庁所在地や政令指定都市のような大きな議会の議員と同じ待遇だと思っている方々が多いことがわかる。

 私は誤解された場合はその都度、説明して理解をしていただく努力を私なりにしているので最近はあまり言われなくなってきたのだが、それよりも大事なことは、とにかく市民の皆さんに今以上に信頼される市議会や議員になるべく精進を重ねることである。だからこそ、議会改革はもっともっと進めていくべきだし、議員個々も目に見える活動を行わなければならない。その上で、厚生年金だけでなく、報酬、政務活動費も含めた身分に関する協議を行っていくべきだと思う。

 政治家という仕事が子どもたちが憧れるものになること。それが、なり手不足解消の最大の解決策である。

 

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