経営思想家のP・F・ドラッカーは著書「マネジメント」の中で
真摯さは、とってつけるわけにはいかない。すでに身につけていなければならない。(中略)真摯さの欠如は許さない。絶対に許さない。
と述べ、この世の中で最も不可欠なものは「真摯さ」であると説いています。
たとえ、意見や主義主張が違っても、受け止めて向かい合う。これが相手に対する礼儀であり、真摯さの基本だと私は思います。その上でより良い議論ができ、そして深まっていくものだと考えています。
昨日の本会議のメインは来年度一般会計予算案の質疑でした。私は予告どおりにふたつの質問をしました。そこでの担当部長の答弁に「真摯さ」がはっきりと分かれました。
まずは「ふるさと納税PR事業」。私の質問のポイントは「本来の趣旨から逸脱しない運営」と「業務委託先の見直し」でした。答弁したのはまちづくり推進部長。部長は真正直な方なので少し蛇足気味ではありましたが、きちんと質問に向き合って答えてくれました。
次に「シティセールス2020事業」。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた新規事業です。答弁したのは総務部長。いろんなやり取りがありましたが、「この事業は2020年までの4か年計画だと理解している。そこには一本の戦略があるはずなのでそれを教えてほしい」という私の質問に部長は「予算は単年度主義であり、今は平成29年度の予算を審議しているので答える必要はない」という趣旨の答弁をされました。
たしかに予算は年度ごとにつくられるし、昨日のあの時間は来年度当初予算審議の場でした。しかし、わざわざ「2020」という冠をつけて実施する事業なのだから、ロードマップだとか目標値だとかそれくらい答えられるのではないですか?しかも部長は答える必要がないのは「当然の事」とまでおっしゃいました。ここに真摯さの欠如が見え隠れします。残念ながら。
私の席の周り、みんな笑ってましたよ。呆れてましたよ。おそらく、この事業に「戦略」はないんです。だから答えられなかったんです。もっといえばシティセールス・シティプロモーションの全体的戦略が横手市にはまだないんです。「横手の魅力発信」と言いますが、戦略がなかったらただの言葉遊びに過ぎないでしょう。戦略なくして勝算はありません。
この事業、結果はどう転んでもこのままだと野村克也氏がよく言われる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という総括になると思います。
昨日の質疑の全体的な感想ですが、「この事業って何ですか?」的な事前に調べればわかるだろうという質問が激減していました。これによって質問の中身がその事業の運営やこれからの方向性を問うものが多かったように感じます。そして、木村清貴議員が質疑で指摘したように、事業ごとの事業シートを議会側に開示してもらえればもっと深い議論になると思います。
それにしても、サイドブックスのしおり機能は便利です。昨日の質問準備に大いに活用させていただきました。
今日は一般質問の通告日。もう出揃っている頃だと思いますが、私は今回は登壇しません。日程等は次回のブログでお知らせします。