軍港・横須賀。M.C.ペリー司令官が4隻の黒船を率い上陸したこの地は、小泉純一郎・進次郎親子の地元だ。
横須賀市には父方の親戚が住んでいて、幼いころに来たと思うのだが、記憶はおぼろげ。物心がついての訪問は初めてだったが、はっきりいって、また行きたくなる街であった。
「議会と大学の連携」をテーマに勉強すべく、横須賀市議会におじゃました。
横須賀市議会は横浜市に主要キャンパスがある関東学院大学と平成28年に「包括的パートナーシップ協定」を締結。「学の知見」を活用すべく、大学との連携を推進していた大津市議会の取り組みを目にした当時の議長がその必要性を感じていたことと、地域の課題解決のために法学部に地域創生学科を創設予定していて、行政の力を借りたかった大学の目的がピッタリ一致したことがきっかけだったようだ。
平成28年1月にある会合の席で、学長から議長に協力要請があり、2月に正式に面談してから議会内の特段の異論もなく3月に締結と、まさに電光石火で事が成立した背景には、やはり議会トップの強い想いとそれゆえのリーダーシップがあるなと感じた。
関東学院大は11学部を擁する総合大学で教授陣には当然のごとく、その道のプロが多数在籍している。そういったことで、例えば防災であったり、ゴミ問題であったりと行政が抱える課題について議会全体として研修会等を開催して教えを乞うといったことを行っている。
また、議員は大学図書館を無料で利用できたり、「かながわ学」という講義を聴講できるなど、やる気のある議員にとってはさらなる資質向上につながる形を整えている。以前、仙台でセミナーを受講した時の講師だった牧瀬稔氏も地域創生学科の准教授であり、氏の講義にも2名の議員が受講している。
大学側としても、学生がインターンシップで議員の一日の行動に密着したり、横須賀市議会が開催する高校生向けの議会報告会を手伝ったり、「地域創生特論」という開講科目で議員の話を聴いたりといったことを通して、地域課題について考察する機会を得ている。まさに、win-winの関係であり、目指すものがはっきりしていれば、包括協定は機能するということを示していると思う。
さて、この取り組みを横手市議会に置き換えてみると、正直いって「そのまま導入するのは難しいかも」というのが感想。まず、お互いの目的を達成するための共有がなされるのか。そして実際の活動実績をみると、議会と大学の立地距離が近いから頻繁に交流できるという現実があるからだ。横須賀市と関東学院大の横浜にあるキャンパスは電車で約10分である。
しかしながら、大学という財産を議会運営や政策力向上のために活用する必要性は再認識した。互いのメリットがあるならば、協定までいかなくとも、遠い距離にあっても何らかの連携を図っていくことは可能。またいろいろと自分なりに考えていきたいと思う。
二日目の「しまコトアカデミー募集説明会」については、また後日。